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地球環境を守るために

「みんなで築くよりよい環境」を目指して:環境教育懇談会報告(1986)とは?

1980年代、日本は高度経済成長期を経て、深刻な公害問題に直面していました。工場からの排水による水質汚染、自動車の排気ガスによる大気汚染など、経済発展の裏で環境破壊が進んでいたのです。このような状況を受け、人々の環境問題に対する意識は高まり、環境保全の重要性が叫ばれるようになりました。 こうした背景から、1986年、環境庁(現環境省)は「環境教育懇談会報告」をまとめました。これは、環境問題の解決には、人々の意識改革と行動が不可欠であるという認識に基づき、環境教育の在り方について提言を行うものでした。環境問題を「自分たちの問題」として捉え、積極的に行動できる人材を育成することが急務とされたのです。
地球環境を守るために

地球を救え!環境コミュニケーションのススメ

近年、地球温暖化や気候変動、海洋プラスチック問題など、地球環境に関する深刻なニュースを耳にする機会が増えました。しかし、これらの問題を知ってはいても、具体的に何をすれば良いのか分からず、行動に移せていない人も多いのではないでしょうか? 環境問題の解決には、一人ひとりの意識を高め、持続可能な社会の実現に向けて共に歩むことが重要です。そして、そのために欠かせないのが「環境コミュニケーション」なのです。
カーボンニュートラルに向けて

カーボンリサイクル:CO2を資源に変える未来

近年、地球温暖化の主な原因とされるCO2の排出量削減が世界的な課題となっています。その中で注目されているのが、CO2を資源として捉え、再利用する「カーボンリサイクル」です。 カーボンリサイクルとは、大気中や工場などから排出されたCO2を回収し、様々な技術を用いて燃料や素材、製品などに再利用する取り組みを指します。従来のCO2削減の考え方では、排出量を抑制することに重点が置かれていました。しかしカーボンリサイクルは、CO2を「厄介者」から「 valuable resource 」へと転換し、経済活動に循環させるという、全く新しいアプローチで地球温暖化対策に貢献します。 カーボンリサイクルには、大きく分けて以下の3つの種類があります。 1. -CO2を化学的に変換して、燃料や化学製品の原料を作る「ケミカルリサイクル」- 2. -CO2を藻類の光合成に利用し、バイオ燃料や化学製品の原料を作る「バイオリサイクル」- 3. -CO2を鉱物と反応させて、コンクリートなどの建築資材として利用する「ミネラルリサイクル」- これらの技術はまだ開発段階のものも多いですが、実用化に向けて世界中で研究開発が進められています。カーボンリサイクルは、地球温暖化を抑制するだけでなく、資源の有効活用や新たな産業の創出にも繋がる可能性を秘めています。未来に向けて、カーボンリサイクルは、持続可能な社会を実現するための重要な鍵となるでしょう。
地球環境を守るために

「カルタヘナ議定書」: LMOと生物多様性

遺伝子組換え生物等(LMO Living Modified Organism)とは、遺伝子工学技術を用いて遺伝物質(DNAやRNA)を改変された生物のことを指します。具体的には、ある生物が持つ有用な遺伝子を、別の生物に組み込むことで、病害虫に強い農作物や、栄養価の高い食品などを作り出すことができます。 LMOは、従来の品種改良技術では実現が難しかった画期的な品種を生み出す可能性を秘めていますが、一方で、生態系への影響や、食品としての安全性など、様々な懸念も指摘されています。そのため、国際的には「カルタヘナ議定書」に基づき、LMOの国境を越える移動を規制するなど、その適切な利用に向けた取り組みが進められています。
地球環境を守るために

6月は環境月間!私たちにできること

毎年6月は、環境について考え、行動する「環境月間」です。 これは、1972年6月5日にスウェーデンのストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められました。 この会議は、地球環境の保全について世界で初めて話し合われた歴史的な会議であり、これをきっかけに様々な環境問題への取り組みが始まりました。 日本でも、これを機に「環境基本法」が制定され、毎年6月を環境月間と定め、環境問題に関する様々な啓発活動が行われています。 環境月間の目的は、環境問題への意識を高め、一人ひとりが積極的に行動を起こすきっかけを作ることです。 地球温暖化や生物多様性の喪失など、私たちを取り巻く環境問題はますます深刻化しています。環境月間を通して、これらの問題について改めて考え、未来のために、私たちにできることを探してみましょう。
省エネルギーのために

回生エネルギー:未来へのブレーキ

braking system 運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーに蓄えることで、エネルギー効率を高める仕組みです。 電気自動車やハイブリッド車などで広く採用されており、環境負荷の低減に貢献しています。
地球環境を守るために

「環境的に持続可能な交通」 京都宣言を読み解く

近年、地球温暖化や大気汚染、資源の枯渇といった地球規模の環境問題が深刻化しています。これらの問題の大きな要因の一つとして、私たちの社会を支える交通システムからの環境負荷の増大が挙げられます。こうした背景から、環境負荷の少ない、持続可能な交通システムの構築が国際社会共通の喫緊の課題となっています。 こうした状況の中、2010年3月、京都において「第3回環境的に持続可能な交通に関する国際会議(EST)」が開催されました。そして、この会議において採択されたのが「京都宣言」です。京都宣言は、環境的に持続可能な交通システムの実現に向けた、国際社会共通の理念や行動指針を明確化したものであり、その後の国際的な取り組みを大きく方向づけるものとなりました。
地球環境を守るために

科学万能主義は地球を救えるか?

「科学万能主義」という言葉は、現代社会においてしばしば耳にするようになりました。しかし、その本質を正しく理解している人はどれだけいるでしょうか? 科学万能主義とは、簡単に言えば、科学こそが全ての問題を解決する絶対的な力を持つという考え方です。 科学技術の進歩がもたらした恩恵は確かに計り知れません。医療の発展による寿命の延び、インターネットによる情報革命など、私たちの生活は科学技術の恩恵なしには成り立ちません。 しかし、その一方で、原子力エネルギーの利用がもたらす負の側面や、環境破壊、情報格差など、科学技術の進歩に伴う新たな問題も生まれてきています。
地球環境を守るために

資源の未来を考える~可採年数の真実~

私たち人類は、石油や天然ガス、金属など、地球上の様々な資源を利用して生活しています。しかし、これらの資源は無限にあるわけではなく、いつかは枯渇してしまう可能性も秘めているのです。資源の残りの量を示す指標の一つに「可採年数」があります。可採年数とは、現在の消費量のまま資源を使い続けた場合、あと何年でその資源が枯渇してしまうのかを示す数字です。例えば、ある資源の可採年数が30年だとすると、あと30年でその資源が採り尽くされてしまうという計算になります。この数字は、資源の枯渇が差し迫っているという危機感を私たちに与え、資源の大切さを改めて認識させてくれます。
地球環境を守るために

カエルツボカビ症:地球環境への影響とは?

カエルツボカビ症は、カエルやサンショウウオなどの両生類に感染する感染症です。原因となるのは、ツボカビと呼ばれるカビの一種で、カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis、Bd)が皮膚に寄生することで発症します。この病気は、両生類の個体数減少を引き起こす深刻な脅威となっており、世界中で多くの種が絶滅の危機に瀕しています。
地球環境を守るために

地球を救う?乾留ガス化の技術

乾留ガス化とは、酸素の少ない状況下でバイオマスなどの有機物を加熱し、熱分解とガス化を同時に行う技術です。 従来の焼却処理とは異なり、ダイオキシンなどの有害物質の発生が抑制され、地球環境に優しい点が特徴です。 また、生成されたガスは燃料や化学原料として利用できるため、資源の有効活用にも貢献します。
地球環境を守るために

改正アセス法:10年の成果と今後の展望

2011年の改正環境影響評価法(アセス法)制定以前は、大規模開発事業計画が環境に与える影響について、事業者による調査や予測が必ずしも十分に行われていなかったという指摘がありました。開発による自然破壊や環境汚染を懸念する声が高まり、事業計画段階から環境保全の観点を十分に組み込む必要性が認識されるようになりました。 このような背景から、改正アセス法は、環境影響評価の質の向上と手続きの透明化・迅速化を目的として制定されました。具体的には、事業者に対してより詳細な環境影響評価の実施を求めるとともに、住民や専門家、行政機関が意見交換を行う場を設けることで、多様な意見を反映したより良い開発計画の策定を目指しました。
地球温暖化について

ガス・バイ・ガス方式:地球温暖化対策の新戦略

地球温暖化は、私たちの社会や経済、そして地球全体にとって深刻な脅威です。気温上昇は、海面上昇、異常気象の増加、生態系の破壊など、様々な問題を引き起こします。 これらの影響を最小限に抑えるためには、早急かつ大幅な温室効果ガスの排出削減が不可欠です。 世界各国が協力し、国際的な枠組みのもとで排出削減目標を設定し、実現に向けて努力していく必要があります。
地球環境を守るために

途上国の環境とエネルギー:課題と展望

多くの途上国は、経済発展と環境問題の板挟みという深刻なジレンマに直面しています。 経済成長を優先すると、どうしてもエネルギー消費が増加し、環境負荷が大きくなってしまう傾向にあります。工場の操業や自動車の排気ガスなどにより、大気汚染や水質汚濁が深刻化し、健康被害や生態系への悪影響も懸念されます。 一方で、環境保全に重点を置くと、経済活動が制限され、雇用やインフラ整備などが遅れ、貧困問題の解決を妨げる可能性も孕んでいます。 特に、先進国と比べて環境規制の整備や技術導入が遅れている途上国にとって、このジレンマはより深刻なものとなっています。 このような状況を打破するためには、環境と経済の両立を実現する持続可能な開発モデルの構築が不可欠です。
地球環境を守るために

海の安全と環境を守る 海難残骸物除去条約とは?

海難事故によって発生する残骸物は、航海の安全を脅かすだけでなく、海洋環境にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。 沈没船や漂流するコンテナは、航行中の船舶にとって大きな危険です。特に、視界不良時や夜間には衝突の危険性が高まり、新たな海難事故を引き起こす可能性も孕んでいます。 また、残骸物から流出した油や化学物質は、海洋汚染を引き起こし、海洋生態系に深刻なダメージを与えます。これらの物質は、海洋生物の生息環境を破壊し、食物連鎖を通じて人間にも影響を与える可能性があります。 さらに、残骸物は、美しい海岸線の景観を損ない、観光業にも悪影響を及ぼす可能性があります。漂着した残骸物は、海岸の景観を損ない、観光客の減少や漁業への影響も懸念されます。 このように、海難残骸物は、海の安全と環境に対して多大な脅威をもたらす可能性があり、その影響は計り知れません。
SDGsと暮らし

環境家計簿でエコな毎日を始めよう

- 環境家計簿とは?その仕組みとメリット 家計簿というと、日々の収入や食費、光熱費などを記録して支出を管理するものというイメージがありますよね。では、環境家計簿とは一体どんなものでしょうか? 環境家計簿は、従来の家計簿のようにお金の流れを記録するだけでなく、日々の生活の中でどれだけのエネルギーを使い、どれだけのCO2を排出しているかを把握するためのツールです。電気やガス、水道といった光熱費の使用量はもちろん、車や公共交通機関の利用状況、食品ロスなども記録することで、自分の生活が環境に与えている負荷を可視化することができます。 環境家計簿をつける最大のメリットは、自分自身の環境負荷を“見える化”できることです。普段何気なく行っている行動が、どれだけのエネルギー消費やCO2排出につながっているのかを把握することで、環境問題への意識が高まり、自然と省エネ行動を心がけるようになるでしょう。また、記録を通して自分の生活パターンや無駄な部分が見えてくるため、効率的なエネルギーの使い方や無駄の少ないライフスタイルを意識するきっかけにもなります。 環境家計簿は、専用のノートやアプリなど、様々な方法で取り組むことができます。まずは気軽に始められる方法で、毎日の暮らしの中で環境問題を意識することから始めてみましょう。
地球環境を守るために

カンクン宣言:地球への約束

地球温暖化や環境汚染、森林破壊など、地球規模で進行する環境問題の深刻化は、私たち人類共通の課題です。中でも、生物多様性の損失は、生態系の崩壊や食糧安全保障の危機など、人類の生存基盤を揺るがすものであり、早急な対策が求められています。こうした危機感のもと、2010年、メキシコのカンクンにおいて生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されました。そして、そこで採択されたのが、「生物多様性条約の目標達成のための新たな戦略計画2011-2020」と、その実行を強く後押しするための政治文書である「カンクン宣言」です。 カンクン宣言は、生物多様性の損失を食い止め、生態系と人類がもたらす恵みを将来にわたって享受できる社会の実現を目指すという力強い決意表明です。具体的には、2020年までに達成すべき「愛知目標」の設定や、生物多様性の保全と持続可能な利用のための資金メカニズムの構築などが盛り込まれています。 この宣言は、国際社会が生物多様性の重要性を再認識し、その保全に向けて協調して取り組むことを誓ったという点で歴史的な意義を持っています。そして、私たち一人ひとりが、この宣言の精神を受け継ぎ、地球の未来のために積極的に行動していくことが求められていると言えるでしょう。
地球環境を守るために

クルマなしの日、未来への第一歩

「カーフリーデー」。耳慣れない言葉かもしれませんが、これは「国際自動車フリーデー」とも呼ばれ、毎年9月22日に世界各地で行われているイベントです。 この日、私たちはマイカーの使用を控えるように呼びかけられます。 目的は、排気ガスや騒音といったクルマがもたらす環境問題について考え、公共交通機関や自転車、徒歩での移動手段を見直すこと。 単なるイベントとしてではなく、私たち一人ひとりが環境問題と向き合い、持続可能な社会を実現するための第一歩として、カーフリーデーは年々その重要性を増しています。
地球温暖化について

カンクン合意:地球の未来に向けた第一歩と課題

2010年11月29日から12月10日にかけて、メキシコのカンクンで、国連気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)が開催されました。 この会議では、京都議定書に代わる新たな国際的な枠組みについて、世界各国が激しい議論を交わしました。その結果として採択されたのが「カンクン合意」です。 カンクン合意は、先進国と途上国の双方に、温室効果ガスの削減目標の設定を義務付けるという画期的な内容を含んでいます。具体的には、先進国は2020年までに、1990年比で温室効果ガス排出量を25%〜40%削減することを目標とし、途上国は2020年までに現状よりも排出量の増加を抑制することを目指します。 また、カンクン合意では、途上国の気候変動対策を支援するための基金の設立も盛り込まれました。これは、先進国が資金や技術を提供することで、途上国の温室効果ガス削減と気候変動への適応を支援することを目的としています。
地球環境を守るために

大統領の環境ブレーン 米国環境諮問委員会とは

環境問題が深刻化し、世界的な危機意識が高まる中、1970年にアメリカ合衆国で環境諮問委員会(CEQ)が設立されました。これは、ニクソン大統領が環境問題に対する国家的なリーダーシップを発揮し、より効果的な政策を実施するために設置した諮問機関です。CEQは、大統領に対して環境問題に関する専門的な助言や政策提言を行うことを目的としています。具体的には、国内外の環境問題に関する調査・分析、環境政策の立案・調整、環境影響評価の実施などが挙げられます。CEQの設立は、環境問題を国家的重要課題として位置づけ、科学的な知見に基づいた政策決定を行うという、アメリカの強い意志を示すものとなりました。
地球環境を守るために

川辺川ダム計画:持続可能な未来に向けた選択とは?

川辺川ダム計画は、熊本県を流れる川辺川の上流部に建設が計画されているダム計画です。その歴史は古く、1960年代にまで遡ります。当初の目的は、洪水対策と水資源の確保でした。川辺川流域は、過去に幾度となく洪水に見舞われてきた歴史があり、人々の生活は常に水害の脅威に晒されてきました。同時に、農業用水や生活用水などの水資源の安定供給も重要な課題でした。そこで、これらの問題を解決するために、川辺川ダム計画が持ち上がったのです。
地球環境を守るために

ガイア理論:地球は生きている?

「地球は一つの生命体である」。まるでSFのような話に聞こえるかもしれませんが、これがガイア仮説の根幹をなす考え方です。1970年代にジェームズ・ラブロックによって提唱されたこの仮説は、地球上の生物、大気、海洋、土壌といった要素が全て相互に作用し合い、一つの巨大なシステムとして機能していると説明します。そして、このシステム全体が自己調整機能を持ち、地球全体の環境を生命にとって最適な状態に保っているというのです。まるで、地球自体が呼吸し、代謝し、自らを維持しているかのようです。
地球環境を守るために

地球サミット:未来への責任

1992年、リオデジャネイロで開催された地球サミットは、環境問題と開発問題を統合的に捉えた国際会議として、歴史的な転換点となりました。このサミットで採択された「リオ宣言」は、持続可能な開発の実現に向けた人類の共通認識を明確化し、具体的な行動指針を提示した画期的な文書です。 リオ宣言は、人間中心主義的な思想から脱却し、自然と人間が共生する社会の実現を目指すことを謳っています。環境保護を単なる制約と捉えるのではなく、経済発展や社会福祉の向上と調和させながら、将来世代にわたって地球環境を守っていくことの重要性を訴えています。 リオ宣言の採択から30年以上が経過した現在でも、その理念は色あせていません。むしろ、気候変動や生物多様性喪失など、地球規模の課題が深刻化する中で、持続可能な開発の重要性はますます高まっています。リオ宣言で示された原則と行動計画は、私たち人類が未来に向けて進むべき道を指し示す羅針盤として、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。
地球環境を守るために

環境モニタリング:地球の未来を守る眼

環境モニタリングとは、大気、水、土壌などの環境の状態を継続的に監視し、その変化を捉えることを指します。私たちの身の回りには、工場や自動車からの排気ガス、生活排水、農薬など、様々な原因によって引き起こされる環境問題が存在します。これらの問題を把握し、適切な対策を講じるためには、環境の状態を正確に把握することが不可欠です。 環境モニタリングは、環境問題の予防や改善、環境保全のための基礎となる重要な取り組みと言えるでしょう。
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