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地球温暖化について

COP24:地球の未来をかけた会議

COP24とは、2018年12月にポーランドのカトヴィツェで開催された、国連気候変動枠組条約第24回締約国会議のことです。COP(Conference of the Parties)とは、地球温暖化対策のための国際的な枠組みである「国連気候変動枠組条約」に参加する国々が、年に一度集まって、条約の実施について話し合う会議です。 COP24は、2015年に採択された「パリ協定」の運用ルールを決定するための重要な会議として位置づけられていました。パリ協定は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することを目標としています。 COP24では、この目標達成に向けた具体的なルールや、途上国への資金援助などについて、190以上の国と地域が参加して激しい議論が交わされました。世界が注目する中、会議は予定の会期を延長して、なんとかパリ協定の実施指針(ルールブック)を採択し、閉幕しました。
地球環境を守るために

共通だが差異ある責任:地球の未来のために

地球温暖化、海洋プラスチック問題、森林破壊...。現代社会は、地球全体の環境システムを揺るがしかねない深刻な問題に直面しています。これらの問題は、国境を越えて相互に影響し合い、複雑化しているため、もはや一国だけで解決できるものではありません。地球という一つの惑星に住む人類全体にとって、共通の課題として認識する必要があるのです。
地球環境を守るために

知らなかった!船の排ガス規制と旗国主義

世界経済のグローバル化に伴い、海上輸送量は年々増加しています。それに伴い、船舶から排出される排ガスによる大気汚染も深刻化しています。船舶の排ガスには、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスだけでなく、大気汚染物質である硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などが含まれており、地球温暖化や酸性雨、呼吸器疾患などの健康被害を引き起こす原因となっています。 国際海事機関(IMO)では、このような船舶による環境負荷を低減するために、様々な排出ガス規制を導入しています。例えば、2020年には、船舶燃料の硫黄分濃度の上限を0.5%に規制するという画期的な規制が導入されました。この規制により、船舶からのSOx排出量は大幅に削減されることが期待されています。 しかし、このような国際的な規制があるにも関わらず、全ての船舶が規制を遵守しているわけではありません。海運業界では、「旗国主義」と呼ばれる原則があり、船舶は船籍登録を行った国の法律に基づいて運航することが認められています。そのため、環境規制の緩い国に船籍を置くことで、厳しい規制を逃脱しようとする船舶も存在するのが現状です。
地球温暖化について

COP20:リマ会議の成果と課題

地球温暖化問題は、私たちの社会や経済、そして地球全体の生態系に深刻な影響を与える喫緊の課題です。その解決に向けた国際的な取り組みの場として、気候変動枠組条約COP(Conference of the Parties)が毎年開催されています。 COPは、1992年に採択された「気候変動に関する国際連合枠組条約」に基づいて設立された国際会議で、地球温暖化対策について話し合い、国際的な合意形成を目指します。具体的には、温室効果ガスの排出削減目標の設定や、途上国への資金援助、技術協力など、多岐にわたる議題が議論されます。
カーボンニュートラルに向けて

気候中立で実現する未来

地球温暖化に代表される気候変動は、私たちの社会や経済、そして地球全体の生態系に深刻な影響を及ぼしつつあります。世界各地で異常気象の発生頻度が増加し、海面の上昇、生態系の変化、食料生産への影響など、その被害は拡大の一途をたどっています。気候変動問題は、もはや一部の国や地域だけの問題ではなく、国際社会全体で協力して取り組むべき喫緊の課題となっています。 気候変動の主な原因は、人間の経済活動に伴う温室効果ガスの排出増加です。産業革命以降、石炭や石油などの化石燃料の使用が急増し、大気中の二酸化炭素濃度はかつてないレベルにまで上昇しています。このままでは、地球の平均気温はさらに上昇し、気候変動の影響はより深刻化すると予測されています。気候変動問題の解決には、温室効果ガスの排出削減と、すでに避けられない影響への適応 measures が不可欠です。 気候変動問題の解決には、国際的な協調、技術革新、そして私たち一人ひとりの意識改革が求められています。国際社会全体で共通目標を設定し、排出削減目標の達成に向けて協力していくことが重要です。また、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー技術の開発など、技術革新による解決策も重要です。そして、私たち一人ひとりが気候変動問題の深刻さを認識し、日常生活の中でできることから行動に移していくことが、持続可能な社会の実現へとつながっていきます。
地球温暖化について

COP17:地球の未来を決めた13日間

2011年11月28日から12月11日にかけて、南アフリカのダーバンで、国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)が開催されました。これは、地球温暖化対策について話し合う、非常に重要な国際会議です。 この会議は、京都議定書の第一約束期間が2012年末に満了を迎えるという背景の下、開催されました。京都議定書は、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けていましたが、アメリカが離脱し、中国やインドなどの新興国の排出量が増加するなど、課題も多くありました。 ダーバン会議の主な目的は、京都議定書の後の枠組みについて合意することでした。具体的には、全ての国が参加する公平かつ実効性のある新たな法的枠組みの構築を目指し、議論が交わされました。また、途上国への資金援助や技術移転についても重要な議題となりました。
地球環境を守るために

EUの気候変動対策:気候変動・エネルギー政策パッケージとは?

京都議定書の採択後、EUは世界でいち早く気候変動問題への取り組みを本格化させました。2008年には、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で20%削減するという目標を掲げた「気候変動・エネルギー政策パッケージ」を打ち出しました。これは、単なる目標設定にとどまらず、排出量取引制度(ETS)の導入や省エネルギー政策の強化など、具体的な政策を包括的にまとめたものでした。このパッケージは、EUが気候変動対策において世界をリードするという強い意志を示すものであり、その後の国際交渉にも大きな影響を与えました。
地球温暖化について

地球温暖化対策の緊急課題:ギガトンギャップを埋めるには?

2015年に採択されたパリ協定は、世界各国が協力し、産業革命前からの気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することを目標としています。しかし、現状の各国の取り組みでは、この目標達成には程遠く、地球の気温は今世紀末までに2.7℃上昇すると予測されています。この目標と現実の間に存在するギャップは「ギガトンギャップ」と呼ばれ、国際社会全体の課題となっています。
カーボンニュートラルに向けて

地球を守る「キャップ」: 排出量取引の仕組み

地球温暖化は、私たちの社会や経済に深刻な影響を与える喫緊の課題です。その主な原因となるのが、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出です。排出量取引は、この地球温暖化問題解決への有効な手段の一つとして注目されています。企業に排出量の上限(キャップ)を設定し、それを超過する企業は、排出量を削減している企業から排出枠を購入することで、全体としての排出量削減を目指します。これは、経済的なインセンティブを活用することで、より効率的に温室効果ガスの削減を促す仕組みと言えるでしょう。
地球温暖化について

地球温暖化の真実:気候の漸増応答とは?

地球温暖化は、私たち人類にとって喫緊の課題です。 しかし、その影響はすぐに現れるとは限りません。温暖化ガスの排出量が増加し続けても、気温上昇や海水面の上昇は緩やかに見えるかもしれません。これは、地球の気候システムが複雑で、時間的な遅れを伴って変化するためです。 このような現象は、「気候の漸増応答」と呼ばれます。 気候の漸増応答とは、簡単に言えば、大気中の温室効果ガス濃度が変化したときに、気候システムが最終的な平衡状態に達するまでに時間がかかることを指します。 例えば、今日、私たちが温室効果ガスの排出を完全に停止できたとしても、地球の気温はその後もしばらく上昇し続けると予測されています。これは、海洋が巨大な熱容量を持っているため、大気中の熱を吸収し、ゆっくりと放出するためです。 気候の漸増応答は、私たちが地球温暖化問題の緊急性を理解する上で非常に重要です。目に見える変化がまだ少ないからといって、対策を先延ばしにしていいということではありません。むしろ、将来、より深刻な影響を回避するためにも、今すぐに行動を起こす必要があるのです。
リサイクルについて

金属くずが拓く!未来へのリサイクル

現代社会は、建物や車、電化製品など、あらゆる場面で金属に依存しています。しかし、金属の原料となる鉱物資源は有限であり、このまま採掘を続ければ、資源の枯渇は深刻な問題となります。資源の枯渇は、経済の停滞や国際紛争の原因となる可能性も孕んでおり、早急な対策が必要です。 さらに、金属の採掘は環境に大きな負荷をかけています。鉱山開発による森林伐採は、生物多様性の損失や土壌侵食を引き起こし、地球温暖化を加速させる要因となります。また、採掘や精錬の過程で発生する排水や排気ガスは、大気や水質を汚染し、生態系や人間の健康に悪影響を及ぼします。 これらの問題を解決するために、金属くずのリサイクルが重要な役割を担っています。金属くずを資源として有効活用することで、資源の枯渇を抑制し、環境負荷を低減することが可能となるのです。
地球環境を守るために

地球を救う技術協力

地球温暖化、海洋プラスチック問題、生物多様性の減少など、地球環境問題はますます深刻化し、私たちの生活や未来を脅かしています。これらの問題解決には、国際社会全体で協力し、それぞれの国が持つ技術や経験を共有し、共に解決策を見出す「技術協力」が重要です。 技術協力は、先進国が持つ環境技術やノウハウを開発途上国に移転するだけでなく、開発途上国が自ら環境問題に取り組むための能力向上を支援するものです。具体的には、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー技術の普及、廃棄物管理システムの構築、環境モニタリングシステムの構築など、様々な分野で技術協力が行われています。 技術協力を通じて、地球環境問題の解決に貢献するとともに、持続可能な社会の実現を目指していくことが大切です。
地球温暖化について

気候のカナリア:沈黙が始まる前に

『気候のカナリア』とは、気候変動の影響を受けやすく、その変化をいち早く、そして分かりやすく私たちに示してくれる生物や自然現象のことを指します。 かつて、炭鉱ではカナリアを籠に入れて坑内に持ち込み、有毒ガスの発生をいち早く察知するために利用していました。これは、カナリアが人間よりもガスに敏感で、危険を知らせる「炭鉱のカナリア」として重要な役割を担っていたためです。 気候変動の文脈においても同様に、ある種の生物や生態系は、気温や海水温の上昇、降水量の変化などに非常に敏感に反応します。例えば、高山植物の分布域の変化、サンゴの白化現象、渡り鳥の飛来時期の変化などは、気候変動の影響をいち早く示すサインと言えるでしょう。これらの「気候のカナリア」を観察し、その変化を分析することで、私たちは地球温暖化の進行状況や、それが生態系に及ぼす影響をより深く理解することができます。 しかし、近年、これらの「気候のカナリア」たちの沈黙が始まっているという指摘もあります。気候変動が進むスピードがあまりにも速く、生物たちが適応できなくなっている、あるいは、すでに絶滅の危機に瀕しているケースも少なくありません。私たち人類は、この「沈黙」を深刻に受け止め、「気候のカナリア」の声に耳を傾け、地球温暖化対策を加速させる必要があるのです。
地球温暖化について

地球温暖化の鍵?『気候感度』解説

地球温暖化は、私たち人類にとって喫緊の課題となっています。温暖化の深刻さを知る上で、「気候感度」は重要なキーワードです。気候感度は、大気中の二酸化炭素濃度が2倍になった場合に、地球の平均気温が何度上昇するかを示す指標です。つまり、気候感度が高いほど、地球温暖化の影響が大きくなることを意味します。
地球温暖化について

気候変動に備える情報プラットフォーム

気候変動は、私たちの暮らし、社会、そして経済に、既に様々な影響を及ぼし始めています。 気温上昇は、海面上昇、豪雨や干ばつの頻度増加、農作物の収量減少など、広範囲にわたるリスクをもたらします。 これらの変化は、食料生産、水資源、健康、インフラストラクチャーなどに大きな影響を与え、私たちの生活を脅かす可能性があります。 このセクションでは、気候変動がもたらす具体的な影響やリスクについて、最新の科学的知見に基づいて詳しく解説していきます。
サステナビリティのために

漁獲可能量(TAC)とは? – 持続可能な漁業のために

私たちが日々口にする魚介類。その多くは、日本の近海で漁獲されています。しかし、美味しい魚を将来にわたって食べ続けるためには、魚の数を減らし過ぎないようにする必要があります。そこで重要な役割を担うのが「漁獲可能量(TAC)」です。 TACとは、特定の種類の魚について、1年間で漁獲して良い最大量を決める制度です。魚の種類ごとに、その資源量や環境の変化などを考慮して、漁獲枠を定めます。この漁獲枠を守ることで、魚の乱獲を防ぎ、将来にわたって安定的に魚を漁獲できるようにしています。 つまり、日本の食卓は、漁獲可能量(TAC)によって支えられていると言えるでしょう。私たちが毎日おいしい魚を食べられるのは、このTAC制度のおかげなのです。
地球環境を守るために

地球を救う技術士の力

地球温暖化、資源枯渇、環境汚染など、地球規模で深刻化する環境問題。これらの問題解決には、科学技術の力が必要不可欠です。そして、その科学技術を駆使し、社会に貢献する役割を担うのが「技術士」です。 技術士は、専門的な知識と倫理観に基づき、持続可能な社会の実現に向けて、様々な分野で活躍しています。例えば、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー技術の開発、環境負荷の低いインフラ整備など、多岐にわたる分野で、技術士は地球環境問題の解決に貢献しています。 技術士は、常に最新技術や知識を習得し、社会のニーズを的確に捉えながら、最適な解決策を提供することが求められます。地球環境問題の解決には、国や企業、個人のそれぞれが積極的に行動を起こす必要があります。その中で、技術士は専門家としての知識と経験を生かし、リーダーシップを発揮することで、地球の未来をより良い方向へと導くことが期待されています。
地球温暖化について

地球の未来を守る「吸収源」:森林と海の重要性

近年、地球温暖化による気候変動が深刻化し、世界中で異常気象や海面上昇などの影響が現れています。この地球温暖化の原因となるのが、大気中の二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの増加です。地球温暖化を食い止めるためには、CO2の排出量を減らすだけでなく、既に大気中に存在するCO2を削減することが不可欠です。 そこで注目されているのが、「吸収源」の存在です。吸収源とは、大気中のCO2を吸収し、蓄積してくれる場所のことを指します。地球上には、森林、海洋、土壌など、様々な自然がCO2を吸収する機能を持っており、私たち人類にとって非常に重要な役割を担っています。 特に、森林は「緑のダム」、海洋は「ブルーカーボン」などと呼ばれ、地球温暖化を緩和する上で欠かせない存在として認識されています。 本稿では、地球温暖化を緩和する自然の力である「吸収源」について、その機能や重要性を詳しく解説していきます。
地球環境を守るために

地球を守る盾:保護地域とギャップ分析

地球上の生命は、驚くほど多様で複雑な生態系によって支えられています。 しかし、人間活動の拡大は、この生物多様性に深刻な脅威をもたらしており、多くの種が絶滅の危機に瀕しています。 生物多様性の損失は、生態系のバランスを崩し、食料供給や気候調節など、私たち人間が享受している生態系サービスの劣化にもつながります。 このような状況を背景に、生物多様性の保全は、地球全体の持続可能性を確保する上で不可欠な課題となっています。世界各国は、生物多様性条約などの国際的な枠組みに基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けた取り組みを進めています。 保護地域の設置は、生物多様性を保全するための最も効果的な手段の一つとして位置付けられており、現在、陸域および海域の約15%が保護地域に指定されています。
地球温暖化について

気候変動リスク情報創生プログラムとは?

- 気候変動予測の革新21世紀から未来へ 気候変動は、私たちの社会や経済に深刻な影響を与える可能性を秘めています。将来の気候変動リスクに適切に対処するためには、精度の高い気候変動予測情報が不可欠です。 従来の気候変動予測は、大まかな空間解像度や限られた予測期間などが課題として挙げられていました。しかし、近年のスーパーコンピュータや数値モデルの飛躍的な進歩により、より詳細で長期的な予測が可能になりつつあります。 「気候変動リスク情報創生プログラム」では、最新の科学技術を駆使し、従来よりも格段に高精度な気候変動予測の実現を目指しています。具体的には、都市レベルでの極端気象現象発生予測や、100年先までの長期的な気候変動予測など、これまでにない詳細さで将来の気候変動リスクを明らかにします。 これらの情報は、政府や企業の政策決定、インフラ整備、防災対策などに活用され、私たちが気候変動の影響に適切に適応し、持続可能な社会を実現するために大きく貢献することが期待されています。
地球温暖化について

COP9ミラノ会議:地球の未来をかけた交渉

2003年12月、イタリアのミラノで国連気候変動枠組条約第9回締約国会議(COP9)が開催されました。この会議は、気候変動が地球規模で深刻化する中、国際社会がその対策に向けて重要な一歩を踏み出すための会議として注目を集めました。 COP9の開催前には、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第3次評価報告書を発表し、世界に衝撃を与えました。IPCCは、地球温暖化は疑う余地がなく、人間の活動がその主な原因である可能性が極めて高いと断言しました。そして、このまま対策を講じなければ、21世紀末には地球の平均気温が最大で5.8度上昇する可能性があると警告しました。 IPCC第3次評価報告書は、COP9の議論に大きな影響を与え、気候変動の深刻さを国際社会に改めて突きつけることになりました。COP9では、先進国に対して2008年から2012年までの温室効果ガス排出量削減目標を定めた京都議定書の具体的な運用ルールについて交渉が行われましたが、IPCCの報告書を背景に、より積極的な排出削減を求める声が高まりました。 COP9は、気候変動の現実と、国際社会が協力して対策に取り組む必要性を改めて認識する会議となりました。IPCC第3次評価報告書は、その後の気候変動対策の議論に大きな影響を与え、地球の未来を考える上で重要な転換点となりました。
地球温暖化について

COP7マラケシュ合意:京都議定書始動への道

2001年11月、モロッコのマラケシュで開かれたCOP7は、京都議定書の運用ルールを決定する「マラケシュ合意」が採択され、議定書発効への大きな一歩を踏み出しました。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。特に、世界最大の温室効果ガス排出国であったアメリカの離脱表明は、議定書の将来に大きな影を落とすこととなりました。 アメリカの離脱表明の理由は、自国の経済への影響を懸念したためと、中国やインドなどの新興国に排出削減義務が課されていないことを不公平だと主張したためです。このアメリカの姿勢は、国際社会から大きな批判を浴びることとなりました。 アメリカの離脱表明は、京都議定書の枠組みだけに留まらず、地球温暖化対策全体に対する国際協調の機運を削ぐ可能性も孕んでいました。しかし、残された国々は、アメリカの離脱を乗り越え、京都議定書を発効させ、その後の温暖化対策の礎を築こうと決意を新たにしたのでした。
原子力エネルギー

SPEEDI:原子力災害から命を守る予測システム

SPEEDI(スピーディー)とは、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの略称です。原子力発電所で事故が発生した場合、放射性物質がどのように拡散するのかを、風向、風速、地形などの気象データに基づいて、コンピューターで迅速に予測するシステムです。 SPEEDIは、事故発生時の住民避難や被ばく医療に役立てることを目的として、原子力規制委員会と気象庁が共同で開発、運用しています。
地球温暖化について

地球の未来を決めるCOP:気候変動対策の舞台裏

COPは、Conference of the Partiesの略称で、日本語では「国連気候変動枠組条約締約国会議」と呼ばれています。 これは、地球温暖化対策を話し合うために、世界中の国々が集まる国連の会議のことです。 1995年からほぼ毎年開催されており、世界各国が共通の目標を掲げ、地球温暖化問題の解決に向けた取り組みを進めています。 COPでは、温室効果ガスの排出削減目標や、気候変動の影響への適応策など、様々な議題について話し合われます。 各国が意見を出し合い、時には激しい議論も行われながら、最終的には合意文書が採択されます。この合意文書は、世界の気候変動対策の方向性を決める重要な役割を担っています。 COPは、地球温暖化問題の深刻さを世界に知らしめ、国際社会全体で対策を進めていくための重要な機会となっています。 世界各国のリーダーやNGO、企業、市民などが参加し、それぞれの立場で意見を交換することで、より効果的な対策を模索していくことが期待されています。