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地球環境を守るために

一次エネルギー: 地球の未来を支える資源

私たちの生活は、電気やガス、ガソリンなど、様々なエネルギーによって支えられています。 これらのエネルギーの源となっているのが、一次エネルギーです。 一次エネルギーとは、自然界に存在するままの、まだ加工されていないエネルギー資源のことを指します。 例えば、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料や、太陽光、風力、水力、地熱といった再生可能エネルギーなどが挙げられます。 一次エネルギーは、そのままでは利用できない場合が多く、発電や精製などの過程を経て、私たちが使いやすい形に変換されます。 このようにして変換されたエネルギーを二次エネルギーと呼びます。 例えば、石油はガソリンや灯油などの燃料に精製され、私たちが利用しています。 また、太陽光は太陽光発電によって電気に変換され、家庭やオフィスで使用されています。 一次エネルギーは、私たちの生活や経済活動を支える上で欠かせないものです。 しかし、化石燃料の消費による地球温暖化や、エネルギー資源の枯渇といった問題も深刻化しています。 持続可能な社会を実現するためには、再生可能エネルギーなど、環境負荷の低い一次エネルギーの利用を促進していくことが重要です。
地球環境を守るために

遺伝子組換えと環境:EU規制の進化と課題

地球温暖化や生物多様性の減少など、人類は様々な環境問題に直面しています。こうした課題を解決するため、遺伝子組換え技術に期待が寄せられています。遺伝子組換え技術とは、生物の遺伝情報を改変することで、その特性を変化させる技術です。例えば、作物の収量を向上させたり、栄養価を高めたり、病害虫への耐性を強化したりすることができます。 遺伝子組換え技術によって開発された作物は、農薬や肥料の使用量を削減し、環境負荷を低減する可能性を秘めています。また、干ばつや塩害などのストレスに強い品種を開発することで、気候変動への適応にも役立つと期待されています。 しかし、遺伝子組換え技術は、生態系への影響や、食品としての安全性など、解決すべき課題も抱えています。遺伝子組換え作物が、自然界に拡散することで、在来種との交雑や競争が起こり、生態系のバランスを崩してしまう可能性が懸念されています。また、遺伝子組換え食品の安全性についても、長期的な影響はまだ不明な点が多く、消費者の不安は根強く残っています。 EUでは、これらのリスクを踏まえ、遺伝子組換え生物の利用に関して厳格な規制を敷いています。消費者の選択の自由を保障するため、遺伝子組換え食品には表示義務が課せられており、トレーサビリティの確保も求められています。 環境問題解決の切り札として期待される遺伝子組換え技術。その可能性を最大限に引き出しながら、リスクを適切に管理していくことが重要です。
地球環境を守るために

廃棄物計画が照らす未来の環境

私たちの生活から日々生み出される廃棄物。その処理方法によって、未来の環境は大きく左右されます。 廃棄物処理計画は、単なるゴミ処理の予定表ではありません。 環境への負荷を最小限に抑え、資源を循環させ、持続可能な社会を築くための、未来設計図とも言えるでしょう。 この計画は、各自治体によって策定され、廃棄物の発生抑制、リサイクル、最終処分といった処理方法を総合的に計画します。 計画期間は数年間と長期的な視野に立ち、環境への影響だけでなく、経済性や地域住民への配慮も求められます。 計画策定にあたっては、まず廃棄物の現状を把握することが重要です。 廃棄物の種類や量、処理方法ごとのコストなどを分析し、問題点や改善点を明確化します。 その上で、具体的な目標値を設定し、その達成に向けた具体的な施策を盛り込んでいきます。 廃棄物処理計画は、私たちの生活と未来の環境をつなぐ大切な架け橋です。 計画の内容を理解し、積極的に関わることで、より良い未来を創造していくことができるでしょう。
地球温暖化について

異常気象は誰のせい? イベントアトリビューションで解き明かす

近年、世界各地で異常気象による災害が頻発しています。豪雨、干ばつ、熱波など、かつてない規模と頻度で私たちの生活を脅かしています。そして、その背景には地球温暖化の影響があると考えられています。しかし、ある特定の異常気象が、本当に地球温暖化のせいと言えるのでしょうか? 人間活動がどれだけ影響しているのか、具体的な数字で示すことはできるのでしょうか? こうした疑問に答えるための科学的な方法として、近年注目されているのが「イベントアトリビューション」です。これは、最新の気象学と統計学を駆使して、異常気象の発生原因を分析する手法です。イベントアトリビューションを用いることで、ある異常気象が自然変動によるものなのか、それとも人間活動による地球温暖化の影響を受けているのかを、確率的に評価することができます。
地球環境を守るために

地球とエネルギー: インパクトの真実

私たちが日々消費するエネルギー。便利な生活を送る裏側で、地球には一体どんな影響を与えているのでしょうか?「インパクト」とは、まさにその影響のこと。目には見えないけれど、確かに存在する地球への負担を、この章では詳しく見ていきます。
地球環境を守るために

遺伝子の多様性が地球を救う?

地球上の生き物は、人間から動物、植物、目に見えない小さな微生物まで、驚くほど多様な姿形をしています。この多様性を支えているのが、「遺伝子の多様性」です。 遺伝子とは、生物の設計図とも言える情報であり、親から子へと受け継がれます。この遺伝子には様々なパターンが存在し、同じ種であっても個体ごとに微妙な違いがあります。 例えば、同じ種類の花を見てみると、色や形、大きさ、咲く時期などが微妙に異なりますよね。これは、それぞれの花が持っている遺伝情報が少しずつ異なるために現れるのです。このように、ある種の中に見られる遺伝子のバリエーションの豊富さを、遺伝子の多様性と呼びます。
地球温暖化について

「いぶき2号」が拓く未来 – 地球環境観測の最前線

「いぶき2号」は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した、世界初の温室効果ガス観測専用の衛星です。2018年に打ち上げられた後、地球全体の温室効果ガスの濃度を高精度で観測し続けています。 「いぶき2号」の前身である「いぶき」(GOSAT)は、2009年から宇宙空間からの温室効果ガス観測という新たな道を切り拓きました。「いぶき」の成功と、地球温暖化対策の重要性が高まる中で、「いぶき2号」はより高精度な観測と観測データの活用範囲拡大を目標に開発されました。 「いぶき2号」は、「いぶき」で培われた技術を基に、観測センサーの性能向上や観測波長の追加など、様々な改良が加えられています。これにより、二酸化炭素だけでなく、メタンや一酸化炭素など、より多様な温室効果ガスの濃度を、都市部など局所的なスケールで捉えることが可能となりました。
地球環境を守るために

医療廃棄物処理ガイドライン(1989)の概要とその後

1980年代後半、日本では経済成長が続き、それに伴い、医療機関においても医療技術が進歩し、廃棄物の量も増加の一途をたどっていました。特に、注射針やメスといった鋭利な医療廃棄物による、医療従事者への感染症リスクや、廃棄物処理業者への健康被害が社会問題としてクローズアップされるようになりました。 さらに、病院から排出される廃棄物に混入した胎児の遺体が発見されるという痛ましい事件が発生し、医療廃棄物の適正処理に対する国民の意識はますます高まりました。 このような背景から、厚生省(当時)は医療廃棄物の安全かつ適正な処理を徹底するため、1989年に「医療廃棄物処理ガイドライン」を策定しました。これは、医療機関における廃棄物処理の基準を明確化し、関係者への周知徹底を図ることを目的としていました。
地球環境を守るために

地球環境×広域連携!一部事務組合の可能性

深刻化する地球環境問題への対策は、もはや一地方自治体だけの取り組みでは限界に達しつつあります。広域にわたる課題解決には、複数の自治体が協力し、知恵と資源を結集することが不可欠です。 そこで注目されるのが「一部事務組合」という制度です。一部事務組合とは、複数の地方公共団体(都道府県や市町村など)が共同で特定の事務を行うために設置する団体のことです。各自治体が単独では対応困難な業務を共同処理することで、効率的な行政運営と住民サービスの向上を目指します。
その他

景観から考える地球環境とエネルギー問題

私たちが普段「景観」と聞いてイメージするのは、山や海、田園風景など、どこか遠くにあるような風景ではないでしょうか?しかし、景観とは本来、私たちの身の回りのあらゆる風景を指す言葉です。 その中でも「囲繞景観」とは、ある場所を中心に、360度見渡す限りの空間全体を指します。 具体的には、自分の家の周り、職場や学校の周辺、よく行く公園など、私たちが日常生活の中で実際に見ている風景のことです。 囲繞景観は、山や海の景観のように雄大さや美しさで目を引くわけではありません。しかし、私たちが日々暮らす中で無意識に目にしている風景であり、知らず知らずのうちに影響を受けています。そして、その中には地球環境やエネルギー問題に深く関わる要素も含まれているのです。
地球環境を守るために

医療廃棄物:環境への負担と未来への課題

医療現場では、人々の命と健康を守るため、日々さまざまな医療行為が行われています。それと同時に、使用済み注射針や輸液パック、手術で使用したガーゼなど、多くの廃棄物が発生します。これらは「医療廃棄物」と呼ばれ、その適切な処理は、環境保全と公衆衛生の観点から極めて重要です。 医療廃棄物は、その種類や量、取り扱い方によって、感染性、有害性を持つ可能性があり、環境や人体への影響が懸念されます。例えば、適切に処理されずに投棄された注射針が、回収作業員や一般市民に刺さり、感染症を引き起こすリスクも考えられます。また、医療廃棄物の中には、環境中に放出されると、土壌や水質を汚染する可能性のある化学物質が含まれているケースもあります。 近年、医療技術の進歩や高齢化に伴い、医療廃棄物の量は増加傾向にあります。限られた資源を有効活用し、持続可能な社会を実現するためにも、医療廃棄物の削減、リサイクル、適正処理は喫緊の課題と言えるでしょう。
地球環境を守るために

移動農業:環境とエネルギーの視点から考える

移動農業とは、一定期間同じ場所で農作物の栽培を行い、その後は別の場所へ移動して農業を営む方法です。焼き畑農業はその代表例で、森林を焼き払って生じた灰を肥料として利用し、数年は同じ場所で栽培を続けます。その後は土地の栄養が乏しくなるため、別の場所へ移動し、再び森を焼き払って農地を形成します。このようなサイクルを繰り返すことで、自然の力を利用しながら農業を継続していくのです。移動農業は、伝統的に熱帯雨林地域などで行われており、長年人々の生活を支えてきました。
リサイクルについて

逆転の発想!地球を救うインバース・マニュファクチュアリング

従来の製造業では、資源を採取し、製品を作り、使用後は廃棄するという一方通行のサイクルが一般的でした。しかし、地球温暖化や資源枯渇が深刻化する中、この大量生産・大量消費・大量廃棄型のモデルは限界を迎えています。 そこで注目されているのが、「インバース・マニュファクチュアリング」という考え方です。これは、製品のライフサイクル全体を考慮し、資源の循環利用を最大限に図ることを目指すものです。具体的には、製品設計の段階から分解・リサイクルを考慮したり、使用済み製品を回収して部品や素材を再利用したりする取り組みが含まれます。
地球環境を守るために

「カルタヘナ法」で守る地球の未来

「遺伝子組換え生物等(LMO)」、それは現代科学が生み出した、生物の遺伝子情報を操作することで、新たな性質や機能を持たせた生物のことを指します。私たちの身近なところでは、害虫に強いように改良されたトウモロコシや、特定の栄養素を強化した大豆などが、このLMOにあたります。従来の品種改良とは異なり、人工的に遺伝子を操作することで、短期間で効率的に新しい品種を生み出すことが可能となりました。しかし、その一方で、生態系への影響や、食品としての安全性など、解決すべき課題も存在します。
地球環境を守るために

自治体がつくる持続可能な未来 – イクレイの挑戦

世界規模で環境問題が深刻化する中、その解決に向けて率先して行動を起こしているのが、世界中の自治体です。地球温暖化対策や資源循環型社会の実現など、地域レベルでの取り組みは、持続可能な社会を構築する上で欠かせない要素となっています。 イクレイは、そんな「持続可能な社会」を目指す自治体のための国際的なネットワークです。正式名称は「イクレイ - 持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会」。世界100カ国以上、1,750を超える自治体が加盟し、互いに協力しながら、より良い政策や技術を生み出すための活動を行っています。 イクレイは単なる協議会の枠を超え、自治体職員の研修や情報共有、国際会議の開催など、多岐にわたる活動を通して、持続可能な社会の実現に向けた具体的な取り組みを推進しています。世界各地の成功事例や課題を共有することで、各地域の特性に合わせた最適な解決策を見つけ出すためのプラットフォームとしての役割も担っています。
地球環境を守るために

生物多様性の宝庫!コスタリカ「インビオ」探検

中央アメリカに位置するコスタリカは、国土面積わずか0.03%ながら地球上の生物種の約5%が生息するといわれる、まさに「生物多様性のホットスポット」です。その中でも、「インビオ(INBio)」は、コスタリカの生物多様性に関する研究、教育、普及活動の中心的役割を担う、世界的に有名な機関です。 1989年に設立されたインビオは、国内外の研究者と協力し、コスタリカの動植物、菌類、微生物など、膨大な数の生物種の調査、収集、分類、そしてデータベース化に取り組んできました。その成果は、生物多様性に関する科学的な知見を深めるだけでなく、環境教育やエコツアーの開発など、生物多様性の保全と持続可能な利用にも大きく貢献しています。
地球環境を守るために

地球と資源を守る!一般廃棄物処理施設の役割

毎日の暮らしの中で、何気なく捨てているゴミ。その量は、一人ひとりが意識しなければ、あっという間に膨大な量になってしまいます。 そして、その処理方法によって、地球環境への影響も大きく変わってくるのです。 身近なゴミ問題と、それを解決するために重要な役割を担う一般廃棄物処理施設とのつながりについて考えてみましょう。
地球環境を守るために

イヌイットの視点から見る北極会議

北極会議は、北極圏の環境保護と持続可能な開発を目的として、北極圏国と先住民団体などが参加する国際会議です。議題は、気候変動や生物多様性の保全、北極海航路の利用など多岐にわたります。 この会議において、イヌイットを含む北極圏の先住民団体は、重要な参加者として位置づけられています。なぜなら、イヌイットは、何千年にもわたり北極圏の厳しい環境下で生活し、独自の文化や伝統的な知識を育んできたからです。彼らは、温暖化による氷の融解や海面上昇など、気候変動の影響を最も直接的に受けており、その生活や文化は危機に facing されられています。 イヌイットの参加は、会議において、北極圏の環境問題や持続可能な開発について、貴重な視点や伝統的な知識を提供するだけでなく、彼ら自身の権利や利益を守るためにも重要です。国際社会は、イヌイットの声に耳を傾け、彼らの権利や利益を尊重しながら、北極圏の課題解決に向けて共に取り組んでいく必要があります。
サステナビリティのために

「インクルーシブ・ウェルス」で測る未来

これまで、国の豊かさを測る指標として、GDP(国内総生産)が広く用いられてきました。GDPは、一定期間内に国内で生産された財やサービスの付加価値の合計を示すものであり、経済成長を測る指標としては有効です。しかし、GDPは、人々の幸福度や社会の持続可能性といった重要な要素を考慮していません。 例えば、環境汚染や格差の拡大は、GDPの増加にはつながるかもしれませんが、人々の生活の質や社会の安定を損なう可能性があります。また、GDPは、家事やボランティア活動といった市場では評価されない活動や、自然資本の価値を適切に反映していません。 そこで近年、GDPに代わる新たな豊かさの指標として、「インクルーシブ・ウェルス」という概念が注目されています。これは、人々の幸福度や社会の持続可能性を考慮した、より包括的な豊かさの指標です。インクルーシブ・ウェルスは、経済的な資本だけでなく、人間の資本(教育や健康)、社会関係資本(信頼やネットワーク)、自然資本(森林や水資源)といった、さまざまな資本を総合的に考慮することで、真の豊かさを測ろうとするものです。
地球環境を守るために

遺伝子工学が拓く環境・エネルギー問題の未来

地球温暖化や海洋プラスチック問題など、私たち人類は様々な環境問題に直面しています。これらの問題解決に、遺伝子工学は革新的なソリューションを提供する可能性を秘めています。 例えば、遺伝子組み換え技術によって、二酸化炭素を効率的に吸収する植物を開発することができます。これは、大気中の温室効果ガス濃度を削減し、地球温暖化の抑制に貢献します。また、プラスチックを分解する酵素を生み出す微生物の開発も進められています。この技術が確立されれば、深刻化する海洋プラスチック問題の解決に大きく貢献することが期待されています。 遺伝子工学は、これらの問題解決に留まらず、持続可能な社会の実現にも貢献します。例えば、砂漠化が進む地域に適応した作物の開発や、食糧生産の効率化などが期待されています。
地球環境を守るために

自然と対話するインタープリター:地球の未来を紡ぐ

「インタープリター」と聞いて、何を思い浮かべますか? 多くの人は、異なる言語を話す人々の間に入って、言葉を置き換える「通訳者」を想像するかもしれません。 自然の中のインタープリターも、ある意味では同じです。 ただし、そこでのコミュニケーションは言葉ではなく、五感と感性を駆使したものとなります。 自然インタープリターは、訪れた人々に自然の素晴らしさ、面白さ、大切さを伝え、自然と繋がる体験を提供する役割を担います。雄大な景色、可憐な植物、愛らしい動物たちの声に耳を傾け、その背景にある物語を紐解き、人々の心に自然への感動と共感を育んでいきます。そして、自然と人間がより良い関係を築くための一助となることを目指しています。
地球環境を守るために

「いのちの共生イニシアティブ」:未来への希望

2010年、愛知県名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されました。これは、生物多様性条約にとって節目の年となる会議であり、世界中から大きな注目を集めました。COP10では、生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せるための新たな目標「愛知目標」が採択されました。これは、生物多様性の重要性に対する国際社会の認識の高まりを示すものであり、未来へ向けた大きな一歩となりました。 このCOP10を契機として、日本政府は「いのちの共生イニシアティブ」を立ち上げました。これは、生物多様性の保全と持続可能な利用を通じて、自然と共生する社会を実現することを目指す、長期的な取り組みです。このイニシアティブは、愛知目標の達成に貢献するとともに、日本の伝統的な自然観や文化を国際社会に発信する役割も担っています。具体的には、開発途上国における生物多様性保全の支援、国内における里地里山の保全、生物多様性に関する教育・普及啓発活動などが推進されています。
地球環境を守るために

地球を救う?遺伝資源の可能性

私たち人間を含め、地球上のあらゆる生物は、その姿形や性質、能力などを親から子へと伝えるための情報を持っています。これは「遺伝情報」と呼ばれ、DNAという物質に記録されています。そして、この遺伝情報こそが「遺伝資源」と呼ばれるものの中核をなすものです。 遺伝資源は、食料の生産に欠かせない農作物や家畜の品種改良はもちろんのこと、病気の治療薬や環境問題の解決に役立つ新素材の開発など、様々な分野で利用されています。つまり遺伝資源は、私たちの生活を支え、未来を拓く可能性を秘めた、まさに「地球の宝」と言えるでしょう。
地球環境を守るために

異常気象:その脅威と未来への課題

近年、世界各地で経験するようになった酷暑や豪雨、巨大化する台風など、かつてない規模の気象現象は「異常気象」と呼ばれ、私たちの生活や生態系に深刻な影響を与えています。 異常気象とは、30年間に1度起こるか起こらない程度のまれな気象現象を指します。しかし、地球温暖化の影響により、この「まれ」な現象が頻繁に発生するようになり、もはや「異常」とは呼べないほどの頻度で私たちの日常を脅かしています。気象庁のデータによると、日本の年平均気温は100年あたり約1.2℃の割合で上昇しており、これは世界の平均気温の上昇速度よりも速いことが分かっています。また、大雨の発生頻度も増加しており、観測史上最多 rainfall を記録する地域も後を絶ちません。これらのデータは、私たちが経験している異常気象が地球温暖化の影響によるものであることを裏付けています。