第五次環境基本計画：持続可能な未来への道筋
地球環境を知りたい
先生、「第五次環境基本計画」って、どんな計画ですか？
地球環境研究家
いい質問だね。「第五次環境基本計画」は、2018年にできた、日本の環境を守るための計画書みたいなものなんだ。環境問題を解決するために、日本がこれからどんなことをしていくのか、目標や方法が書かれているんだよ。
地球環境を知りたい
2018年から始まった計画なら、もう結構経ってますよね？どんなことを目標にしているんですか？
地球環境研究家
そうだね、計画はすでに始まっているんだけど、2050年くらいを見据えた長期的な計画なんだ。簡単に言うと、環境に優しく、経済も発展していく社会を目指している。例えば、太陽光発電を増やしたり、ものを無駄なく使ったりする取り組みなどが含まれているよ。
第五次環境基本計画とは。
2018年4月、政府は地球環境とエネルギーに関する計画の第5弾となる『第五次環境基本計画』を閣議決定しました。この計画は、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs（持続可能な開発目標）や、同年12月の気候変動枠組条約第21回締約国会議（パリ協定）を受けて策定されました。環境、経済、社会を統合的に向上させるため、「持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築」など、6つの重点戦略が掲げられています。さらに、地域の活力を最大限に引き出すための新たな考え方として「地域循環共生圏」が提唱されています。
SDGsとパリ協定を踏まえた日本の環境戦略
2030年に向けて国際社会が合意したSDGs（持続可能な開発目標）と、気候変動抑制に向けた国際的な枠組みであるパリ協定。第五次環境基本計画は、これらの国際公約を踏まえ、日本の環境政策の基本的な方向性を定める重要な計画です。
本計画では、SDGsの17の目標全てを達成するために、環境面から貢献していくことを明確にしています。特に、気候変動、資源循環、生物多様性、水・大気・土壌環境の保全など、広範な分野において具体的な目標を設定し、取り組みを推進しています。
また、パリ協定に基づき、温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で26%削減するという目標の達成に向けて、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収量の増加など、多岐にわたる対策を講じています。さらに、気候変動の影響への適応策についても、重要な柱として位置付けています。
第五次環境基本計画は、SDGsとパリ協定を達成するための日本の羅針盤としての役割を担っており、持続可能な社会の実現に向けて、社会経済のあらゆる主体が一体となって取り組んでいくことが求められています。
環境・経済・社会の統合的向上
環境問題の解決には、経済成長や社会の安定を犠牲にするのではなく、むしろこれらを相互に促進させる統合的なアプローチが必要です。 第五次環境基本計画では、環境、経済、社会の統合的向上を掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。
具体的には、環境負荷の低い経済活動への転換、自然資本を活用した地域活性化、健康で質の高い生活の実現などが挙げられます。 環境に配慮した技術革新やビジネスモデルの創出を促進することで、経済成長と環境保全の両立を目指します。
また、自然と共生する社会の実現に向けて、生物多様性の保全や自然災害への適応、資源循環などの取り組みを推進します。 これらの取り組みを通じて、将来世代にわたって豊かさを享受できる社会を構築していくことが重要です。
グリーンな経済システム構築に向けた6つの重点戦略
第五次環境基本計画では、持続可能な社会の実現に向け、「グリーンな経済システムの構築」を掲げています。これは、経済成長と環境保全を両立させ、将来世代も豊かに暮らせる社会を創造していくという、重要な理念です。
この計画の中核をなすのが、「グリーンな経済システム構築に向けた6つの重点戦略」です。それぞれの戦略は、明確な目標と具体的な行動計画を持ち、社会全体で取り組むべき課題を示しています。
具体的には、1. 脱炭素社会の実現、2. 循環経済への移行、3. 自然共生社会の実現、4. 環境リスクの低減、5. 国際連携の推進、6. 持続可能なライフスタイルの転換という6つの柱を軸に、戦略が展開されています。
これらの戦略を効果的に推進することで、環境問題の解決だけでなく、新たな産業や雇用の創出、生活の質の向上など、多くのメリットが期待されます。 第五次環境基本計画は、私たち一人ひとりが未来のためにできることを考え、行動していくための羅針盤となるでしょう。
地域循環共生圏：地域の活力を生かした持続可能性
第五次環境基本計画では、「地域循環共生圏」の創造が、持続可能な社会を実現するための重要な柱として掲げられています。これは、都市と地方がそれぞれの特性を生かしながら連携し、資源の循環やエネルギーの地産地消などを推進することで、環境負荷の低減と経済活性化の両立を目指すものです。
具体的には、地域に豊富に存在する再生可能エネルギーや未利用資源を有効活用し、地域内での経済循環を促進します。そして、地域の特性に応じた環境に配慮した産業を育成することで、雇用創出や人口減少の抑制にもつなげていくことを目指しています。
地域循環共生圏の構築は、単なる環境政策の枠を超え、地域社会全体の活性化を図る取り組みとして、大きな期待が寄せられています。
第五次環境基本計画が目指す未来
第五次環境基本計画は、2050年までにカーボンニュートラルを達成し、自然と共生する社会を実現することを目指しています。これは、地球温暖化や生物多様性の損失など、私たち人類が直面する深刻な環境問題を克服し、将来世代に豊かで美しい環境を引き継ぐための壮大な計画です。
この計画では、経済社会のあらゆる活動において、環境への負荷を低減し、持続可能な社会システムへの転換を図ることが求められています。具体的には、再生可能エネルギーの導入促進、省エネルギーの徹底、循環型経済への移行など、具体的な取り組みが盛り込まれています。
目指す未来は、単なる環境問題の解決に留まりません。環境と経済が好循環する社会、すなわち経済成長と環境保全が両立し、人々の健康と幸福が守られる社会の実現を目指しています。これは、私たち一人ひとりが、環境問題を自分ごととして捉え、持続可能な社会の構築に積極的に参加していくことを求めるものです。