サーマル・リサイクル：廃棄物からエネルギーを生み出す

サーマル・リサイクル：廃棄物からエネルギーを生み出す

サーマル・リサイクル：廃棄物からエネルギーを生み出す

地球環境を知りたい

先生、「サーマルリサイクル」って、ゴミを燃やすだけじゃないんですよね？

地球環境研究家

そうですね。サーマルリサイクルは、ゴミを燃やす時に出る熱をエネルギーとして再利用することを指します。単に焼却するだけよりも、地球環境への負担を減らすことができるんです。

地球環境を知りたい

エネルギーとして再利用って、具体的にはどんな風に使われているんですか？

地球環境研究家

例えば、ゴミを燃やした熱で発電したり、工場のボイラーの熱源として利用したりすることが多いですね。そういった工夫によって、化石燃料の使用量を減らし、二酸化炭素の排出削減にも貢献しているんです。

サーマル・リサイクルとは。

「サーマル・リサイクル」とは、地球環境とエネルギー問題への対策として、廃棄物をただ焼却するだけでなく、その際に発生する熱エネルギーを回収し、有効活用することです。この熱回収は、資源の循環利用を促進する手段として、再使用や再生利用に次いで重要視されており、循環型社会形成推進基本法第7条にも明記されています。また、2010年の廃棄物処理法の改正では、焼却時の熱利用を積極的に推進することが盛り込まれました。詳細については、「ごみ焼却余熱」の項目をご参照ください。

廃棄物問題とエネルギー問題の現状

現代社会は、増え続ける廃棄物と、それに伴う環境汚染という深刻な問題に直面しています。日本では、毎日約40万トンもの廃棄物が排出されており、その処理は喫緊の課題となっています。一方で、エネルギー資源の多くを海外に依存している我が国にとって、エネルギーの安定供給は経済成長と国民生活の安定のために不可欠です。このような状況下、廃棄物を単なるゴミとして処理するのではなく、資源とエネルギー源として有効活用するサーマル・リサイクルが注目されています。

サーマル・リサイクルとは？

サーマル・リサイクルとは、廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを回収し、発電や熱供給に利用する技術です。ゴミ処理とエネルギー創出を両立できるという点で、注目を集めています。

従来の焼却処分では、廃棄物を燃やすことで発生する熱は、ほとんどが大気中に放出されていました。しかし、サーマル・リサイクルでは、この熱を回収し、蒸気タービンを回して発電したり、工場や家庭へ熱供給したりすることができます。

サーマル・リサイクルのメリット

サーマル・リサイクルは、廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを回収し、発電や暖房に利用する技術です。資源の有効活用と環境負荷低減に貢献するサーマル・リサイクルには、多くのメリットが存在します。

まず、廃棄物の量を大幅に減量することができます。燃焼により廃棄物の体積は最大で90%、重量では最大70%も減少するため、最終処分場の延命化に大きく貢献します。また、発電や暖房に利用できるエネルギーを生み出すことも大きなメリットです。廃棄物を有効資源として活用することで、化石燃料の使用量削減にもつながります。さらに、焼却灰から金属を回収し、リサイクルすることも可能です。資源の循環型社会の実現に向けて、サーマル・リサイクルは重要な役割を担っています。

サーマル・リサイクルの具体事例

サーマル・リサイクルは、廃棄物を単に焼却処分するのではなく、その過程で発生する熱エネルギーを回収し、電力や熱供給に有効活用する技術です。この技術は、廃棄物処理とエネルギー創出を両立させる点で、循環型社会の実現に向けた重要な役割を担っています。具体的な事例として、ごみ焼却施設に併設された発電設備が挙げられます。焼却炉で発生する高温の燃焼ガスを利用して蒸気タービンを回し、発電を行うことで、施設の電力の一部をまかなうことができます。また、近年では、工場などから排出される廃プラスチックを燃料として利用する、サーマルリサイクル発電も注目されています。これらの施設では、廃プラスチックを燃焼させて得た熱エネルギーを、発電や工場内の熱供給に利用することで、化石燃料の使用量削減やCO2排出量削減に貢献しています。