生物多様性を守る!保護地域作業プログラムとは?
地球環境を知りたい
先生、「保護地域作業プログラム」って、何だか難しそうです。生物多様性条約と関係があるのですか?
地球環境研究家
良い質問ですね。その通り、「保護地域作業プログラム」は生物多様性条約と深く関係しています。2002年のCOP6で採択された「2010年目標」を達成するための一つの取り組みとして、COP7で設置されました。
地球環境を知りたい
なるほど。「2010年目標」を達成するため…つまり、生物多様性の損失を減らすためのプログラムなんですね。具体的にはどんなことをするのですか?
地球環境研究家
簡単に言うと、世界全体の陸域と海域のそれぞれ10%以上を保護地域として保全していくための計画です。具体的な活動内容は、保護地域の設置や管理だけでなく、先住民の知恵を生かしたり、資金調達方法を検討したりと多岐に渡ります。
保護地域作業プログラムとは。
「地球環境とエネルギーに関する保護地域作業プログラム」は、生物多様性の損失を2010年までに大幅に減らすという目標(2010年目標)の達成を目指し、設立されました。この目標は、2002年にオランダのハーグで開催された生物多様性条約第6回締約国会議(COP6)で採択されました。そして、この作業プログラムの設立は、2004年にマレーシアのクアラルンプールで開催されたCOP7での決議VII/28に基づいています。
生物多様性条約と2010年目標
生物多様性条約は、地球上の多様な生物とそのつながりを保全することを目的とした国際条約です。1992年に採択され、日本も締約国となっています。この条約では、2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるという目標、「2010年目標」が掲げられました。
保護地域作業プログラムの誕生
近年、地球温暖化や開発などの人間活動の影響により、多くの生物種が絶滅の危機に瀕しています。 このような状況の中、生物多様性の保全は喫緊の課題となっています。生物多様性を効果的に守るためには、単に法律で守るだけでなく、地域住民が主体的に関わっていくことが重要です。そこで注目されているのが、「保護地域作業プログラム」です。
プログラムの目的と活動内容
生物多様性を保全し、豊かな自然を未来へつなぐため、保護地域では様々な取り組みが行われています。その中でも、地域住民や企業、NPOなどが参加できるのが「保護地域作業プログラム」です。
このプログラムは、参加者が実際に保護地域を訪れ、そこで行われる様々な活動に携わることを通じて、生物多様性の重要性や保全の必要性について理解を深めることを目的としています。
活動内容は、地域や保護対象とする生態系によって異なりますが、例えば、外来種の駆除、希少植物の保護、遊歩道の整備、野生動物のモニタリング調査などが挙げられます。これらの活動を通して、参加者は専門家の指導を受けながら、自然と触れ合い、保護活動の現場を体験することができます。
保護地域設定の現状と課題
生物多様性の損失が深刻化する中、世界中で生物多様性の保全が叫ばれています。生物多様性を守る有効な手段として、その地域に生息・生育する動植物や生態系を保護するための地域区分を「保護地域」と定めています。世界では、陸域の約16%、海域の約8%が保護地域に指定されています。(2023年時点)
しかし、保護地域の指定が必ずしも十分に機能しているとは言えません。保護地域の管理体制が整っていなかったり、地域住民との関係が築けていなかったり、財政的な問題を抱えていたりする地域も少なくありません。また、気候変動の影響で従来通りの保護活動では十分な効果が得られなくなってきているという課題も出てきています。
未来への展望:生物多様性と私たちの暮らし
生物多様性の恩恵は、未来の世代へと受け継いでいくべき大切なものです。保護地域作業プログラムを通して、豊かな自然を守りながら、自然と共生する社会を実現していくことが重要です。私たちの暮らしは、食料、水、気候など、様々な面で生物多様性に支えられています。生物多様性の損失は、これらの恩恵を将来的に享受できなくなるリスクも孕んでいます。将来世代にわたって、自然の恵みを享受し続けるためにも、生物多様性の保全は待ったなしの課題と言えるでしょう。