知らなかった！船の排ガス規制と旗国主義

知らなかった！船の排ガス規制と旗国主義

知らなかった！船の排ガス規制と旗国主義

地球環境を知りたい

先生、「旗国主義」ってよく聞くんですけど、具体的にどういうものなんですか？

地球環境研究家

良い質問だね。「旗国主義」は、船舶が航行している場所に関わらず、船に掲げられた国旗の国の法律が適用されるという原則だよ。例えば、日本の船が太平洋のど真ん中で何か問題を起こしたら、日本の法律に基づいて処罰されるんだ。

地球環境を知りたい

なるほど。でも、それだと、自国の船に甘い法律の国があると、海が汚染されてしまうんじゃないですか？

地球環境研究家

その通り！そこで、国際的な条約によって、船舶の安全基準や海洋汚染防止のためのルールが定められているんだ。旗国主義は、それぞれの国が責任を持って自国の船を管理し、国際的なルールを守らせるための仕組みと言えるね。

旗国主義とは。

「旗国主義」とは、地球環境やエネルギー問題において、船舶をそれが掲げる国旗の国、つまり船籍国の領土の一部とみなし、その国の法律を適用することです。例えば、日本の船が日本の領海外で違法に油や廃棄物を排出するなどの海洋汚染を引き起こした場合、他国の領海や管轄権内の河川などを除き、原則として日本の法律に基づいて処罰されます。

海を走る船舶と環境問題

世界経済のグローバル化に伴い、海上輸送量は年々増加しています。それに伴い、船舶から排出される排ガスによる大気汚染も深刻化しています。船舶の排ガスには、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスだけでなく、大気汚染物質である硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などが含まれており、地球温暖化や酸性雨、呼吸器疾患などの健康被害を引き起こす原因となっています。

国際海事機関(IMO)では、このような船舶による環境負荷を低減するために、様々な排出ガス規制を導入しています。例えば、2020年には、船舶燃料の硫黄分濃度の上限を0.5%に規制するという画期的な規制が導入されました。この規制により、船舶からのSOx排出量は大幅に削減されることが期待されています。

しかし、このような国際的な規制があるにも関わらず、全ての船舶が規制を遵守しているわけではありません。海運業界では、「旗国主義」と呼ばれる原則があり、船舶は船籍登録を行った国の法律に基づいて運航することが認められています。そのため、環境規制の緩い国に船籍を置くことで、厳しい規制を逃脱しようとする船舶も存在するのが現状です。

旗国主義とは？

海を航行する船舶は、実はそれぞれ国籍を持っていることをご存知でしょうか？私たちが普段目にする自動車のように、船にもナンバープレートがあり、船体には国旗を掲揚する義務があります。そして、船は登録された国の法律に基づいて運航することが求められるのです。これを「旗国主義」と呼びます。

旗国主義の問題点

船舶の排ガス規制においては、規制の抜け穴となる可能性も指摘されています。特に問題視されているのが「旗国主義」の問題です。旗国主義とは、船舶が船籍を登録している国の法律に基づいて規制を受けるという原則です。

一見するとシンプルな仕組みに見えますが、環境規制の緩い国に船籍を置くことで、厳しい規制を逃れようとする船舶が出てくる可能性があります。環境規制の強化が進む中、旗国主義のあり方についても議論が求められています。

国際的な取り組み

船舶の排ガスによる大気汚染は、地球環境や人体への影響が深刻化しており、国際的な取り組みが急務となっています。国際海事機関（IMO）は、船舶からの硫黄酸化物（SOx）の排出規制を強化するため、2020年1月より、船舶燃料の硫黄分濃度を従来の3.5％から0.5％に引き下げる規制を導入しました。この規制は、世界の海運業界に大きな影響を与え、環境負荷の低減に大きく貢献することが期待されています。

また、IMOは、船舶からの温室効果ガス排出削減にも積極的に取り組んでおり、2050年までに国際海運からの温室効果ガス排出量を2008年比で少なくとも50％削減するという目標を掲げています。この目標達成に向け、エネルギー効率の高い船舶の設計・建造や、代替燃料の利用促進など、様々な技術革新や政策が検討されています。