持続可能な未来へ:ESD10年の成果とこれから
地球環境を知りたい
先生、「国連持続可能な開発のための教育の10年」って、具体的にどんなことを目指していたんですか?
地球環境研究家
いい質問だね!簡単に言うと、2005年から2014年の10年間で、世界中の人々が「持続可能な開発のための教育」について理解を深め、実践していくことを目指していました。
地球環境を知りたい
なるほど。でも、「持続可能な開発のための教育」って、具体的に何をすればいいんですか?
地球環境研究家
例えば、地球環境問題やエネルギー問題について、授業で学んだり、地域活動に参加したりすることなどが挙げられるよ。 大切なのは、自分たちができることから行動を起こしていくことなんだ。
国連持続可能な開発のための教育の10年とは。
2005年から2014年までの10年間は、国連によって「持続可能な開発のための教育の10年」と定められました。これは、地球環境とエネルギー問題に取り組むために、持続可能な開発のための教育を推進することを目的としていました。
持続可能な開発のための教育(ESD)とは?
持続可能な開発のための教育(ESD)とは、現代社会の課題を自らの問題として捉え、よりよい未来の実現に向けて、経済・社会・環境のバランスを考えながら行動できる人材を育成する教育です。
ESDは、単に知識や技能を身につけるだけでなく、批判的に思考し、創造的な解決策を生み出し、他者と協力して行動する力を育むことを重視しています。そのため、環境問題だけでなく、貧困、人権、平和など、さまざまな社会課題をテーマに学習に取り組むことが特徴です。
ESD10年:国連の取り組みと成果
2005年から2014年までの10年間は、国連が提唱する「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」でした。 この間、国連は、ユネスコの主導のもと、世界中でESDを推進するための様々な活動を行いました。
具体的には、ESDに関する世界会議の開催や、ESDの実践事例を共有するプラットフォームの構築などです。これらの活動を通じて、ESDは世界的に広く知られるようになり、多くの国や地域でESDに関する取り組みが進展しました。
ESDの10年の成果として、特筆すべきは、ESDに関する国際的な枠組みが構築されたことです。2014年には、ユネスコが中心となって「持続可能な開発のための教育世界行動計画」が策定され、ESDを推進するための具体的な行動指針が示されました。
これは、ESDが国際社会全体で共有された目標となり、持続可能な社会の実現に向けて、教育が重要な役割を担うことが再確認されたことを意味します。
日本で広がるESDの取り組み事例
ESD(持続可能な開発のための教育)は、今や世界的な潮流となっていますが、日本においても、その理念に基づいた活動が、学校教育や地域社会など、様々な場面で広がりを見せています。本稿では、日本におけるESDの取り組み事例をいくつかご紹介し、その成果と今後の展望について考察します。
まず、教育現場におけるESDの取り組みとして注目すべきは、総合的な学習の時間などを活用した、持続可能な社会づくりをテーマとした学習活動です。例えば、ある小学校では、地域の高齢者を招いて環境問題に関する授業を行い、世代間交流を通して持続可能な社会について考える機会を設けています。また、ある高校では、生徒たちが地域の企業と連携し、フェアトレード商品を開発・販売するプロジェクトに取り組んでおり、経済活動と社会貢献を両立させるESDの視点を具体的に体験できる場となっています。
次に、地域社会におけるESDの取り組みとして、ユネスコスクールの活動が挙げられます。ユネスコスクールは、ESDの推進を目的とする国際的なネットワークであり、日本では約1,000校の学校が加盟しています。ユネスコスクールに認定された学校では、国際理解教育や環境教育など、ESDの視点を取り入れた特色ある教育活動が展開されており、地域社会のESD推進拠点としての役割も期待されています。
これらの事例から、日本におけるESDの取り組みは、学校教育と地域社会の双方で着実に進展していると言えるでしょう。しかし、ESDは一過性の活動ではなく、持続可能な社会の実現に向けて、長期的な視点を持って取り組むべき課題です。今後、更なるESDの普及と発展のためには、国、自治体、企業、NGO、そして個々の市民一人ひとりが積極的に ESDに関わり、それぞれの立場でできることを考え、行動していくことが重要です。
ESD10年のその先へ:私たちにできること
ESD(持続可能な開発のための教育)の10年は、世界中で多くの人々が持続可能な社会の実現に向けて行動を起こすための礎を築きました。日本では、学校教育の現場を中心に、持続可能な社会づくりの担い手を育むための様々な取り組みが行われてきました。しかし、10年の歩みを振り返るだけでなく、これからの10年、20年先を見据え、ESDをより一層発展させていくことが重要です。
では、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか。まず、ESDの視点を日常生活に取り入れることから始めましょう。日々の暮らしの中で、環境問題や社会問題について考え、持続可能な消費行動やライフスタイルを意識することで、小さな変化を生み出すことができます。また、地域や社会の活動に積極的に参加することも大切です。地域課題の解決やNPO・NGOの活動への参加を通して、他者と協働しながら持続可能な社会を創造していく力を育むことができます。さらに、周りの人たちとESDについて語り合い、共に学び、行動を共にする仲間を増やしていくことも重要です。
ESDは、私たち一人ひとりの意識と行動によって、未来を変える力を持つものです。10年の成果を土台に、これからの時代を担う世代と共に、持続可能な社会の実現に向けて、共に歩みを進めていきましょう。
未来への希望を繋ぐ:ESDの重要性
ESD(持続可能な開発のための教育)は、私たち人類が地球上で暮らし続けるために、今、そして未来に向けて必要な力を育むことを目的としています。2015年から2030年までの国際目標であるSDGsが採択され、その達成のためにESDの重要性がますます高まっています。ESDは、単なる環境教育ではなく、貧困や人権問題、平和構築など、現代社会の様々な課題を、相互に関連付けながら学び、より良い未来を創造していくための力を身につけることを目指しています。一人ひとりが持続可能な社会の担い手としての自覚を持ち、積極的に行動できるようになるために、ESDへの取り組みは今後ますます重要になっていくでしょう。