途上国同士の技術協力🤝 第三国の専門家が地球を救う！
地球環境を知りたい
先生、地球環境とエネルギーに関する『第三国専門家派遣』って、どういうものですか？
地球環境研究家
良い質問だね！簡単に言うと、開発途上国で経験や技術を持つ専門家が、他の開発途上国に派遣されるシステムのことだよ。例えば、タイで太陽光発電の普及に貢献した専門家が、今度はベトナムで同様のプロジェクトに携わる、というようなイメージかな。
地球環境を知りたい
なるほど。つまり、途上国同士で協力し合うってことですね。でも、なぜ日本が関わっているのですか？
地球環境研究家
実は日本は長年、途上国への技術協力を行ってきたんだ。第三国専門家派遣は、日本の技術協力で培われた経験や技術を、より多くの途上国に広げるために、日本が支援しているんだよ。
第三国専門家派遣とは。
「第三国専門家派遣」とは、地球環境とエネルギー分野において、開発途上国の経験豊富な人材を、他の開発途上国に専門家として派遣する取り組みです。この派遣には、大きく分けて二つの種類があります。一つは「補完・支援型」で、日本の専門家が技術協力を行う際に、そのサポート役を担います。もう一つは「普及発展型」で、過去の日本の技術協力を通じて技術やノウハウを習得した人材が、今度は自らが専門家となり、周辺の開発途上国へ技術を伝え広める役割を担います。
第三国専門家派遣とは？ 日本の技術協力における役割
途上国が抱える課題は、食料問題、環境問題、貧困問題など、どれも複雑に絡み合い、その解決は容易ではありません。 しかし、同じような困難を乗り越えてきた経験を持つ国や、独自の技術や知識を持つ国が力を合わせることで、より効果的な解決策を生み出せる可能性を秘めている のです。
第三国専門家派遣とは、日本のような先進国が資金やノウハウを提供し、ある途上国が持つ優れた技術や経験を、課題を抱える別の途上国に共有する協力の形を指します。例えば、農業技術指導に長けたベトナムの専門家が、同様の課題を抱えるアフリカの国々で指導を行うケースなどが挙げられます。
日本は長年にわたり、アジア諸国を中心に技術協力を実施してきました。その経験とネットワークを活かし、第三国専門家派遣においても重要な役割を担っています。具体的には、専門家の派遣費用や研修費用を負担したり、派遣前の技術指導や派遣後のフォローアップなど、様々な形で協力を行っています。
第三国専門家派遣は、単に技術や知識を伝えるだけでなく、途上国同士の相互理解と友好関係を深め、自立的な発展を促進する上でも重要な役割を果たしています。そして、それはひいては、地球全体の持続可能な発展にも繋がっていくでしょう。
補完・支援型：日本の技術に現地の知見をプラス
日本が誇る高度な技術力。途上国の課題解決に役立てたいのは山々ですが、文化や風土の違いを考慮せず導入すると、期待した成果に繋がらないケースも少なくありません。そこで注目されているのが、第三国の専門家による“橋渡し”です。
例えば、日本の優れた浄水技術を東南アジアに導入する場合を考えてみましょう。日本側が機器の性能やメンテナンス方法を伝えるだけでなく、現地の水質や生活習慣に精通した東南アジア出身の技術者が加わることで、よりスムーズかつ効果的な技術移転が可能となります。
第三国の専門家は、日本の技術と現地のニーズ、両方を理解しているため、まさに“二人三脚”の体制を築くことができます。これにより、途上国は課題解決への近道を見つけ、日本は国際貢献をより深化させることができるのです。
普及発展型：途上国同士の成功事例を共有
途上国が抱える課題は、決して一国だけで解決できるものばかりではありません。むしろ、気候変動や貧困といった地球規模の課題に対しては、同じような困難を乗り越えてきた経験を持つ国々の協力が大きな力となります。
「普及発展型」の技術協力では、ある分野で成功を収めた途上国が、自らの経験と技術を他の途上国と共有します。例えば、バングラデシュはマイクロファイナンスの成功事例として、アフリカ諸国へそのノウハウを提供しています。この際、単に技術を伝えるだけでなく、制度設計や人材育成といった面も含めた包括的な支援を行うことで、より効果的な技術協力が可能となります。
このような途上国間の協力は、「南南協力」や「三角協力」とも呼ばれ、近年国際社会で注目を集めています。先進国からの援助とは異なる視点で、途上国自身の経験に基づいた実践的な技術や知識を共有することで、より持続可能で効果的な開発を促進できると期待されています。
地球環境問題解決への貢献：具体的な事例を紹介
地球温暖化や海洋プラスチック問題など、地球環境問題は深刻さを増すばかりです。こうした中、先進国だけでなく、途上国も積極的に問題解決に取り組む姿勢が見られるようになってきました。特に注目すべきは、途上国同士が技術や知識を共有し、協力し合う「南南協力」の動きです。
例えば、ベトナムでは、メコン川の水質汚染が深刻な問題となっています。そこで、タイから水質浄化の専門家を招き、技術指導を受けながら、水質改善に取り組んでいます。タイは過去に同様の問題を抱えていましたが、独自の技術で克服してきました。その経験をベトナムと共有することで、両国の環境改善に大きく貢献しているのです。
また、バングラデシュでは、サイクロンなどの自然災害による被害が後を絶ちません。そこで、地震対策で豊富な経験を持つフィリピンから専門家を招き、防災訓練の実施やハザードマップの作成など、防災体制の強化に取り組んでいます。フィリピンは、これまでに培ってきた防災のノウハウを惜しみなく提供することで、バングラデシュの災害対策を支援しています。
このように、途上国間の技術協力は、それぞれの国が抱える課題解決に大きく貢献しています。また、先進国とは異なる視点や経験から、より効果的な解決策を生み出す可能性も秘めています。地球環境問題の解決には、国境を越えた協力が不可欠です。途上国同士の技術協力は、その大きな可能性を示す好例と言えるでしょう。
第三国専門家派遣の未来：更なる発展に向けて
かつては先進国からの援助が主流だった途上国の開発協力ですが、近年では途上国同士で支え合う「南南協力」が注目されています。その中でも、自国の経験を生かして他の途上国の発展を支援する「第三国専門家派遣」は、より実践的な技術協力として期待されています。
第三国専門家派遣は、単に技術を伝えるだけでなく、似たような課題や文化を持つ国同士だからこそ理解できる視点や、限られた資源を有効活用してきた知恵を共有できる点も強みです。例えば、ある国で成功した農業技術を、気候や土壌が似ている別の途上国に伝えることで、より効果的に農業生産性を向上させることができます。
第三国専門家派遣の更なる発展には、専門家の育成や派遣体制の強化、そして派遣国と受入国のニーズマッチングの精度向上が不可欠です。また、専門家の経験や知識を他の途上国とも共有できるような仕組み作りも重要となるでしょう。
第三国専門家派遣は、途上国自身の力で課題を解決していく「自助努力」を促進し、持続可能な開発目標（SDGs）の達成にも貢献する可能性を秘めています。地球全体の未来のためにも、この取り組みを更に推進していく必要があると言えるでしょう。