2011年国際森林年：人と森の未来を考える
地球環境を知りたい
先生、「国際森林年」って、いつのことだったか覚えてますか？ 2011年って、ちょっと前のような気もするし、ずっと前のことのような気もして…
地球環境研究家
そうだね。2011年は東日本大震災があった年だから、記憶に新しいかもしれないね。あの年は「国際森林年」として、世界中で森林の大切さを考える様々なイベントが行われたんだよ。
地球環境を知りたい
そうか！震災の年だったから、あまり覚えてないのかも… 「国際森林年」って何をした年なんですか？
地球環境研究家
国際テーマは「Forests for People（人々のための森林）」で、森林と人間の関わりについて考え、行動する年だったんだ。日本では「森を歩く」をテーマに、森に親しむイベントなどがたくさん開催されたんだよ。
国際森林年とは。
2011年は国連によって「国際森林年」と定められ、地球環境とエネルギーにおける森林の重要性が改めて認識されました。国際的には「人々のための森林」をテーマに、国連森林フォーラム(UNFF)が中心となり、様々なイベントが開催されました。中でも、クロージングセレモニーで「森は海の恋人」を合言葉に植樹活動を続ける漁師、畠山重篤氏が「フォレスト・ヒーローズ」として表彰されたことは大きな話題となりました。日本では、「森を歩く」を国内テーマに、2010年の「国際生物多様性年」から引き継ぐ形で、様々な取り組みが行われました。
国際森林年とは？：背景と目的
森林は、地球環境や生物多様性の維持、そして私たちの生活にとって、かけがえのない役割を担っています。しかし、世界では森林破壊や劣化が深刻化し、地球温暖化などの環境問題にも影響を及ぼしています。このような状況を背景に、森林の重要性を改めて認識し、持続可能な森林経営を推進していくために、2011年は国際連合によって国際森林年と定められました。国際森林年の目的は、森林保全の重要性について世界的な意識を高め、森林の持続可能な管理と利用を促進することです。これは、現在そして未来の世代のために、豊かな森と地球環境を守っていくために非常に重要な取り組みです。
「人々のための森林」：国際的な取り組み
森林は、地球環境の維持に欠かせない役割を果たしているだけでなく、私たち人間の生活にも様々な恩恵をもたらしています。木材や燃料などの資源、水源の涵養、土壌の保全、生物多様性の保全など、森林は私たちの生活を支える基盤と言えるでしょう。
2011年の国際森林年は、「人々のための森林」をテーマに、世界中で森林の重要性と、その持続可能な利用について考えるための様々な取り組みが行われました。国際機関、政府、NGO、民間企業など、様々な主体が連携し、森林保全の重要性を訴え、具体的な行動を促しました。
国際的な取り組みとしては、例えば、違法伐採や森林減少の抑制に向けた国際的な協定の締結や、途上国における森林保全活動への資金援助などが挙げられます。また、森林の持つ多面的機能を活かした、持続可能な森林経営の推進も重要なテーマとなりました。
これらの取り組みを通じて、森林の重要性に対する国際的な認識は高まり、森林保全に向けた具体的な行動も着実に進展しています。しかし、森林減少や劣化の問題は依然として深刻であり、今後も国際社会全体で連携し、持続可能な森林経営を推進していく必要があります。
日本の国際森林年：国内テーマ「森を歩く」
2011年は国連が定めた国際森林年でした。世界中の人々が、森林の大切さ、森林と人との関わりについて考え、行動を起こす一年とすることを目指しました。
日本では、国際森林年のテーマを踏まえ、「森を歩く」を国内テーマに掲げました。これは、実際に森に足を踏み入れることで、五感を研ぎ澄まし、森の息吹を感じ、森の恵みや機能、人と森とのつながりについて、深く理解を深めてもらうことを目的としていました。
畠山重篤氏と「森は海の恋人」：持続可能な社会への道
2011年は国連が定めた国際森林年でした。これを機に、改めて人と森の関係、そして未来への課題について考えてみましょう。
「森は海の恋人」という言葉をご存知でしょうか。これは、宮城県気仙沼湾で牡蠣の養殖業を営む畠山重篤氏が提唱した言葉です。畠山氏は、長年の経験から、豊かな森が豊かな海を育むことを実感してきました。森から流れ出る栄養豊富な水は、プランクトンを育み、それが牡蠣などの海の生き物の餌となるからです。
畠山氏の活動は、森と海の密接な繋がりを私たちに教えてくれます。森林伐採や環境汚染によって森が荒廃すると、海もまたその影響を受け、生態系のバランスが崩れてしまいます。逆に、森を大切にし、健全な状態を保つことは、海の豊かさにも繋がるのです。
「森は海の恋人」という言葉は、自然環境全体を包括的に捉えることの重要性を訴えています。持続可能な社会を実現するためには、森と海、そしてそこに暮らす人々が共存できる道を探っていく必要があります。国際森林年をきっかけに、私たち一人ひとりがこの言葉を胸に、未来への責任について考えていきたいものです。
国際森林年の成果とこれから：未来への教訓
2011年の国際森林年は、森林の重要性に対する世界的な認識を高め、持続可能な森林管理への取り組みを促進する上で、大きな成果を収めました。世界中で開催されたイベントやキャンペーンを通じて、森林が私たちの生活に欠かせないものであること、そして、気候変動や生物多様性の損失などの地球規模課題に対処するために、森林を保全し、持続可能な方法で利用していくことが重要であるというメッセージが発信されました。
国際森林年の成果は、意識改革にとどまりません。各国政府、国際機関、民間企業、NGO、そして市民社会は、森林保全と持続可能な森林管理に向けた具体的な行動計画を策定し、その実行に取り組み始めました。例えば、違法伐採対策の強化、森林認証制度の普及、森林減少・劣化からの排出削減（REDD+）の推進などが挙げられます。
国際森林年が終わった現在、私たちはその成果と教訓を未来へと繋いでいく必要があります。森林は、地球全体の生態系、経済、そして私たちの生活にとって、かけがえのないものです。国際森林年で高まった意識を維持し、森林保全と持続可能な森林管理に向けた取り組みを、より一層強化していくことが重要です。