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地球環境を守るために

「NIMBY」のジレンマ:環境問題と地域エゴ

「NIMBY」とは、英語の「Not In My Back Yard」の頭文字を取った言葉で、日本語では「自分の裏庭には来ないで」と訳されます。これは、ゴミ処理場や原子力発電所など、社会的に必要とされながらも、環境や健康への影響が懸念される施設の建設に対して、地域住民が反対する現象を指します。 NIMBYは、1970年代後半から1980年代にかけて、アメリカで顕著に見られるようになりました。当時のアメリカでは、高度経済成長に伴い、廃棄物処理やエネルギー問題が深刻化し、その解決策として、大規模な施設の建設が進められました。しかし、これらの施設は、環境汚染や事故のリスクなどを抱えており、住民の不安や反対運動を招くこととなりました。 NIMBYは、一見すると、地域住民のエゴイズムや無責任さの表れと捉えられがちです。しかし、その背景には、自分たちの生活環境を守りたいという切実な思いや、政府や企業に対する不信感などが複雑に絡み合っています。 NIMBYは、環境問題と地域社会の関係を考える上で、重要なキーワードとなっています。現代社会において、環境問題の解決は喫緊の課題です。しかし、その一方で、地域住民の理解と協力なしに、環境問題を解決することは不可能です。NIMBYのジレンマを乗り越え、環境保護と地域社会の発展を両立させるためには、地域住民、企業、行政が互いに理解し合い、協力していくことが不可欠です。
地球環境を守るために

地球を救うNAMAsとは?

地球温暖化をはじめとする気候変動は、私たちの社会や経済、そして地球全体の生態系に深刻な影響を与えることが科学的に証明されています。海面上昇、異常気象の増加、生態系の変化などは、すでに世界各地で観測されており、私たちの生活を脅かしています。 このような状況を改善し、持続可能な社会を実現するために重要な役割を担うのがNAMAs(Nationally Appropriate Mitigation Actions)です。NAMAsとは、途上国が自国の発展状況に合わせて、温室効果ガスの排出削減や吸収などの緩和行動を行うための計画です。 NAMAsは、単なる排出削減目標ではなく、途上国が経済成長と環境保全を両立させながら、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指すための道筋を示すものです。国際社会は、資金や技術の支援などを通じて、途上国のNAMAsの実施を支援していくことが求められています。